『チェンソーマン』7巻から読み解くポチタの正体【ネタバレ・考察】
さて、本日2020年6月4日、待望の『チェンソーマン』第7巻が発売されました。
7巻に収録されている回では物語の核心に迫るような秘密がどんどん明かされてきていて、私のような考察好きにとっては堪らない一冊になっていました。
そこで、1巻から7巻まで通しで読み直し、疑問点や推察可能な点を洗い出し、この記事にまとめてみることにします。
細かな疑問はいくつもあって、下書きとなるメモ帳はそういった雑多な走り書きで埋まってしまったので、今日は特に私が語っておきたいいくつかの点に絞って話をしていこうと思います。
そういうわけで、本題です。
「ポチタの正体」「心臓が狙われる理由」、この二つについて、ネタバレもりもりで書いていきます。
妄想、憶測を多分に含みますが、それでもよろしければ、どうぞ最後までお付き合いください。
ポチタは何者なのか
『チェンソーマン』という物語は、現在「チェンソーの悪魔の心臓を巡る攻防」を主軸に展開しています。
私は、「そもそもなんでチェンソーの悪魔の心臓がそんなに重要視されてるんだろう」という疑問を抱き、それを解消するために「チェンソーの悪魔」であるポチタに注目することにしました。
一巻の時点でも、考察の材料となる描写は複数見つかります。
例えば、デンジとポチタが出会う回想シーンです。
この時、ポチタは瀕死の傷を負っているのですが、その傷というのが弾痕に見えるんですよね。
「そう見える」というだけですが、「チェンソーの悪魔はもともと銃の悪魔と敵対関係にあった」という可能性が微かに浮上します。
これは7巻で明らかになることですが、チェンソーの悪魔というのは、悪魔にとっての「子宮」と形容される「地獄」において、他の悪魔の死と転生に立ち会う存在だったようなのです。
また、永遠の悪魔の「昔よりずっと弱くなってる」、サメの魔人ビームの「チェーンを使って移動していた」などの発言から、デンジに心臓を託す以前のチェンソーの悪魔を知っている人物もいくらか登場しています。
果たして、その「チェンソーの悪魔」というのは「ポチタ」と完全にイコールなのでしょうか。
ポチタは永遠の悪魔と対峙した時のデンジより強かったのでしょうか?
チェーンを使って高速移動したりしていたのでしょうか?
そもそも、使われる状況が限定的であるとはいえ、厳つい外見や残忍な凶器の一面が強調されるフィクションなどのイメージから生まれるであろう「チェンソーの悪魔」が、あんな可愛らしい子犬のような姿をとるでしょうか?
ナマコの悪魔ですら「怪物」と形容するのに相応しいおぞましい姿をしていたのに?
と、ここまで考えて私が至った結論は、「ポチタはチェンソーの悪魔が力を失った姿である」というものです。
強大で他の悪魔への影響力もあったチェンソーの悪魔が、なんらかの理由で地獄を追われ(地獄の悪魔の死の傍にいるのですから、元は地獄に居たはずです)、力を消耗しきってしまった成れの果てがポチタである。私はそう考えます。
作中ではその「チェンソーの悪魔」の心臓を巡って殺したり殺されたりの戦いが繰り広げられているわけです。
ここからもう少し整理して、「チェンソーの悪魔の心臓が狙われる理由」について考えていきましょう。
チェンソーの悪魔は殺されるのか
作中でも何度もそう描写され、このブログでもしつこいくらいに書いていますが、多くの勢力に狙われ、利用されようとしているのは「チェンソーの悪魔の心臓」です。
「チェンソーの悪魔」や、「デンジ」、「悪魔でも人間でもないモノ」のどれでもありません。
ここからは消去法で考えていきましょう。
まず、作中で「チェンソーの悪魔を確保しろ」みたいなことが宣言されたことは多分一度もありません。チェンソーの悪魔そのものを、ある勢力に引き入れたり、あるいは亡き者にしようとしているわけではないことが分かります。
というか、デンジを攻撃する勢力が口を揃えて「心臓をよこせ」と言っているあたり、もう「チェンソーの悪魔」が純粋なあり方で存在していないことが既に知れ渡っていますよね。
次、「デンジを捕まえろ」とも言われてません。
むしろほとんどの勢力にとって彼は殺害対象です。
ただ、蛇の悪魔と契約していた沢渡が「心臓は傷つけないで」と明言しています(その直後にサムライソードが「腕と心臓を狙え」とか言っちゃったりしてるんですが)。
そういうわけで、重要なのはやはりデンジという個人ではなく心臓だということになります。
「悪魔でも人間でもないモノ」についてですが、私は当初これが重要な要素なのだと考察していました。
作中で「名前がついていないくらい珍しい現象」という風に説明されているし、デンジのもつこの属性が、人間と悪魔の関係について特異点的な役割を果たすのだろうかと考えていたんですね。
しかし、デンジ以外にも「悪魔でも人間でもないモノ」は作中に数人登場します。
前述のサムライソードことヤクザの若頭、あとボムガールことレゼがこれに該当します。そして、彼らと彼らの心臓は別に特別視されてもいなければ狙われてもいません。
よって、この「特異点説」も消えます。
さらに言うと、アクション漫画でよくある、「敵の能力を吸収してパワーアップ!」的な代物でもないはずです。
一巻でコウモリの悪魔がデンジの血を絞って飲み下したとき、「まずい!」と言っただけで、別にパワーアップも体に異常を起こしたりもしていないからです。
まぁこれは厳密には心臓ではなく血液の話なので関係ないかもしれませんが、「チェンソーの悪魔の肉体は他の悪魔に何かしらの影響を与えるような特別なものではない」ということは言えるかもしれません。
さて、まだまだ潰し切れていない可能性も多々あるでしょうが、主だったものは排除できたかと思います。
では、それでもなお「チェンソーの悪魔の心臓」が狙われているのは一体なぜでしょうか。
これはもはや考察というより私の予想に過ぎないですが、私は「チェンソーの悪魔が輪廻するのを防ぐため」なのではないかと考えています。
7巻で、悪魔は個体が死んでもその概念への恐怖がある限り輪廻し生まれ変わるという設定が明らかになりました。
そして、その輪廻にチェンソーの悪魔が深く関わっているということも。
仮にチェンソーの悪魔(ポチタ)が死んだとしても、別のチェンソーの悪魔が生まれ、以前の役割(役割と呼ぶべきものなのかは不明ですが)を果たし続けるでしょう。
心臓を狙う銃の悪魔らの目的は、チェンソーの悪魔を殺すこと、ではなく、チェンソーの悪魔を生かし続けておくことではないでしょうか。
心臓を奪い生かし続け、チェンソーの悪魔を無力化したうえで転生も封じ、それによって起こる事態が彼らの真の目的だと考えられます。
デンジがチェンソーの悪魔の心臓を保持したままでは、「普通の人生」を送っていずれ死に、チェンソーの悪魔はその時転生するでしょう。
そうならないためには、あらかじめ心臓を奪い、心臓だけの状態で生かし続けることが必要になるというわけです(そんなことが可能であるという描写は当然されていませんが)。
で、デンジを「普通の人生」から遠ざけ、デビルハンターへの道へ誘った第一発見者はというと……という話になるわけですね。
さて、今回の考察は以上になります。
書いているうちにどんどん粗が見つかるので書きあがるか不安でしたが、まぁ文章にはなっていますね。
この記事を読んだ人が私の考察を叩き台にして、より面白い考察をしてくれるとありがたいです。その時は是非Twitterかコメントで教えてください。
それでは、次の記事でお会いしましょう。
この記事を書くにあたって『チェンソーマン』の疑問点をかなり文字化したので、それをコピペして一記事分お茶を濁すかもしれません。