今日も物質

必死で存在しています。

男のスキンケア【輪廻編】

まだくたばっていません。ケチャップです。

朝風呂から上がりたてで気持ちよくなっています。

 

 

正直な話、ニートやってると何日も風呂入らないとかザラにあって入る日のほうが珍しいくらいなんですが、それでもやっぱり風呂は偉大ですね。気持ちがよくなります。

「風呂に入らずに後悔したやつはいても風呂に入って後悔した奴はいない」、蓋し名言です。今考えたけど。

 

 

さて、今日の記事の題は『男のスキンケア』と、なんとも普通で社会に適合していそうな名前になっております。

この手の美容系のハナシというのは「ブログで飯を食ってる人たち」が頻繁に話題として取り上げているイメージがあります。今日はそれにあやかっていきましょう。

現在ブログの収益は平均すれば一か月あたり50円くらいになるんですが、この記事によってそれが一気に100倍、いや1000倍には膨れ上がることでしょう。過言。

 

 

で、今回紹介するのはこちらの商品。

 

 

 「ロゼット ゴマージュ 角質ツルツルこするジェル」です。

私は自分の顔面を綺麗に見せようとかそういう類のことには微塵も興味がない人間なんですが(美容系記事として最悪の一言)、この商品には若干の因縁があるんですよね。

 

 

時を遡ること十年くらい前、私が小学生か中学生か高校生だった頃の話です。

私の実家はいわゆる三世代同居で、洗面所や風呂場は老若男女がそれぞれ使い分ける美容系、衛生系用品に溢れかえっておりました。

 

そんな中で、私のことを大事に思ってくれている祖母がしきりに「これからは男の子もお肌や髪に気をつかったほうがいい」と言って、祖父、父、私が使っている洗顔料エリアに置いていたのがこの「こするジェル」なのです。

 

祖母の言葉に「なるほど一理ある」と頷きはしたものの、当時の私もまた自分の顔面を清潔に保つことに全く興味がなかったので、この「こするジェル」を筆頭とした美容用品は順調に風呂場でカビを纏い続けることになったわけですが、まぁそれでも「使ってみるかな」という好奇心だけは少しだけあって、その好奇心を最もそそったのもこの「こするジェル」だったのです。

 

 

というのもこの商品、普通の洗顔料とはちょっと違って、使用頻度は週に2~3回を勧めており、さらに肌が濡れた状態では使えないという、なかなか変わった代物だったんですね。

 

ジェルを適量取り出して顔面に擦りつけて使用すると、ジェルが消しゴムのカスのようなものに変わり始めるのです。

商品の紹介ページには「洗顔では取りきれない古い角質をポロポロからめて落とします」とあります。

この消しカスみたいなのがその除去された角質というやつなのでしょう。

この少し変わった使用方法とその結果から、当時の私は他の美容品と比べてこの「こするジェル」を若干気にし始めました(それでもほとんど使わなかったんですが)。

 

だって面白いでしょう、自分の顔面からポロポロと「悪いものらしきもの」が形になって落ちていくのは。

その感触が面白くて、顔面からカスがでなくなるまで全裸で風呂場に棒立ちしてひたすら顔を擦り続けた日もありました。美容のためというよりは、単純に娯楽としてその商品を楽しんでいたんでしょうね。

 

 

 

さて、時が経ちまして現在。

働かずに一人暮らしをするという、この世で一番顔面を気にする必要がない生活を送りながらも、この「こするジェル」は我が家の洗面台に鎮座しています。

 

祖母の「これからは男の子もお肌や髪に気をつかったほうがいい」というポリシーは十年の時を経ても変わらなかったらしく、仕送りめいて食品や衣類が詰められた段ボールの中ににちょこんと入っていたことがあったのです。

 

案の定、私はそれをほとんど使っていません。

使っていないのですが、先ほど朝風呂を浴びている間、なんとなく目に入ったこの「こするジェル」のことを考えていて、今日のブログを書くに至ったわけです。

 

 

「この「こするジェル」というのはなかなか売り方作り方が上手い商品だな」、ということを考えていました。

 

先ほど書いたように、実家暮らしの頃の私はほとんど「カスが出てくるのが愉快だ」というだけでこの商品を使っていました。

しかし、これを美容を気にする人々のように言い換えると、「自分の悪いところが形になって出てくると安心する」、となるわけです。効果が視覚化されています。

 

 

化粧水などの美容品、あるいはダイエット用品などに顕著ですが、商品を売る際に必ずと言ってもいいほど「ビフォーアフター」を宣伝として掲げるでしょう。

 

この商品はその「ビフォーアフター」の即効性に優れているのです。

「効果の実感」に秀でた商品である、とも言えるでしょう。

 

「効果があってほしい」というのと「効果を実感したい」というのは、近接した感情ではありますが必ずしも完全に一致しているわけではありません。

「効いている」と「効いている気がする」の二つでは後者のほうが圧倒的に早く訪れます。

そして、「効いている気がする」という感覚は継続を促し、結果としては大きく遅れて「効いている」がやってくるわけです。

 

「こするジェル」の使用の結果現れる消しカスみたいな物体が、美容という目的の単なる副産物なのか、あるいは「効果の実感」を促進するためにある程度意図して発生させられているものなのかは分かりませんが、商品を売るという点においては間違いなく成功していると言えるでしょう。

 

 

自分がもし起業なり商品開発なりをする立場になったら、「効果が早く実感できる」というのは意識したいポイントだなぁ、と、この「ロゼット ゴマージュ 角質ツルツルこするジェル」を眺めながら考えました。

美容だけでない、色々な分野に応用可能なノウハウでしょうからね。

 

 

今の私は無職で、自分の外見なんかには全く気を使っていませんが、もしそういうちゃんとした立場の人間になる日が来たら、やっと私は祖母のポリシーに従って外見に気を使い始めるのかもしれません。

 

「外見なんてどうでもいい」という長年の確執を捨て去る、そんな日がくるといいですね。

 

 

 

角質だけに。