今日も物質

必死で存在しています。

独房の壁に樹氷を見る

はじめまして。

自分のことを美少女Vtuberだと思い込んでいる水槽の脳だと思い込んでいる成人男性系Vtuberの久遠ありあです。

 

「休日は寝る」という最近のマイブームに従い、お昼に指定配達してもらったAmazonの荷物を受け取った後に長い長いお昼寝をしていました。

 

皆さんもお昼寝しちゃったあとに「もう朝かぁ」と思いながら起きちゃうお茶目ムーブを一度はしたことがあるんじゃないでしょうか(ない?)。

私は今日のお昼寝でそれをやっちゃいました。この現象、長めのお昼寝で比較的起こりやすいと思うんですよね。今回も4時間くらい寝ちゃってましたし。多分睡眠での満足感とか体調とかが原因でこの誤認が起こるんでしょうね。

でもこの現象に気づいた直後は大体ちょっぴり満足した気分になることができるので、私は全然嫌いじゃないです。むしろ好き。こういうちょっとした「瞬間」を大事にしていきたいですよね。

 

 

今日のお昼寝からの寝覚めにはもう一つ嬉しいことがありまして、なんと部屋の中で樹氷が見えたんですよ。

私は生まれも育ちも樹氷が見える地方ではないため、この「樹氷」というのは「雪が降り積もっていてちょっと綺麗な木」の比喩表現でしかないんですが、非北国出身者はこういうちょっとした降雪エピソードに「樹氷」という語を使いたがりがちなので許してやってください。

 

 

部屋の中で樹氷が見えるはずがないじゃないですか。

種明かしをしましょう。

恐らくソレは単に木の影だったのです。

カーテンの隙間から差し込んだ日光ないし月光ないしなんらかの光源が見せた、ただの木の影が私の部屋の壁に映りこんだだけなのです。

しかし、それは輝いていました。樹氷を見たことのない人間が、「樹氷」という言葉を使って形容したくなる程度に、その影はちらほらと雪の光を放っていたのです。

 

「雪の光を放っていたのです」というのは正確な表現ではありませんね。影は光りませんし、その時の私の部屋に光源はありませんでした。

しかし、私はこの「雪の光」には覚えがあります。今日は久しぶりに雪が降った日だったのです。

今日は午前中に外出する予定があったので、朝カーテンを開けて非常にげんなりとしたことを覚えています。

私の主な移動手段は自転車なので、雪という気象はかなり苦手なのです。単純に寒いし、視界が悪いし、服にも雪が纏わりついてきますからね。

 

ただ、雪という気象が視覚的に美しいというのも確かな話で、私の脳はさぞ克明にその白い照り返しを無意識に刻んだことでしょう。

つまり、そういうことなのです。

カーテンの隙間から差し込んだ木陰に、雪の白さの夢を重ねた、というのが、「独房の壁に樹氷を見る」という題の記事に書いたホラ話の全貌なのでしょう。

 

「寝ぼけて見えるはずのないものを見た」というたったそれだけの出来事でしたが、私はしばらくはあの壁面の美しさを忘れないでしょう。

こうした美しい記憶の蓄積を大事にしていきたいものですね。